最終更新日:2026年10月13日
用語集の作り方|翻訳に使う項目・表記ルール・更新方法【2026年最新版】

翻訳に使う用語集は、単語と訳語を並べるだけの一覧ではありません。「この意味ではこの訳語を使う」という判断を、翻訳者と確認担当者が共有するための資料です。原語、採用訳語に加え、定義、用例、使わない表現、参考資料、承認状況をそろえると、表記の揺れを減らしやすくなります。
最初から大きな辞書を作る必要はありません。会社名や製品名、繰り返し出る専門語、過去に修正が多かった表現から始めます。Excelなどで一覧を作り、担当者の確認を受けた語を翻訳案件へ渡し、納品後に更新する流れを決めることが重要です。項目数より、実際に使える情報があるかを優先しましょう。
本記事では、翻訳用語集の作成手順、記入項目と架空の記入例、承認と更新の方法を紹介します。翻訳メモリや辞書との役割の違いも整理し、社内の原稿管理と翻訳の依頼に使える形を考えます。特定のツールを導入する前でも、必要な情報をそろえるところから始められます。
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翻訳からWeb制作・DTPまで対応
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翻訳用語集・辞書・翻訳メモリの違い
一般的な辞書は、語の意味や訳語の候補を調べるために使います。翻訳用語集は、その会社、製品、案件で採用する表記を記録します。辞書に複数の訳がある場合でも、今回どれを使うかが分かるようにすることが目的です。社内で定義している専門語や、翻訳しない製品名も対象になります。
翻訳ツールの用語データベースは、こうした採用語を検索や確認に使う仕組みです。Phraseの公式説明でも、用語集は承認された用語と訳語を保存し、翻訳メモリは文などの対訳を保存するものとして区別しています。用語を決めることと、過去の文章を再利用することは、関連していても同じ作業ではありません。
たとえば製品名を常に同じ表記にするルールは用語集に、製品の操作説明の原文と訳文の組は翻訳メモリに管理する考え方があります。ただし、用語集に指定があるだけで、すべての訳文が自動で修正されるとは限りません。利用するツールの機能と、担当者による確認を組み合わせます。
社内の文章表記ルールも別途役立ちます。日付、数字、単位、見出し、文体などの共通ルールは、用語集の各行に繰り返すより、スタイルガイドとしてまとめた方が管理しやすい場合があります。用語集からそのガイドを参照できるようにし、両方の優先関係を決めてください。
最初は繰り返し使う語と修正が多い語を集める
用語を集める対象は、翻訳する原稿、過去の訳文、会社案内、製品仕様書、Webサイトなどです。会社名、サービス名、部品名、画面表示、業務上の重要語を優先します。使用頻度が低い一般語まで大量に登録すると、採用語の確認と更新が重くなり、重要な語を見つけにくくなることがあります。
過去の修正履歴も材料になります。同じ語に毎回違う修正が入っている場合、表記の好みなのか、意味や定義が変わったのかを確認します。修正後の表記だけを抜き出すのではなく、なぜ直したかを記録すると、別の文章でも同じ判断をしやすくなります。
複数部門から語を集める際は、各部門が独自に使っている呼び方をそのまま採用語にしないようにします。同じ概念に違う名称があるなら、使う場面や対象製品を確認して整理します。用途別に併用する場合は、その条件を書き、単なる表記揺れなら承認担当が統一します。
翻訳会社に候補の抽出を依頼することも相談できます。抽出した語は、その会社の指定表記として確定したものではありません。社内で定義や名称を確認したうえで承認し、未確定の語を確定済みと混ぜないように管理してください。
原語・訳語・定義・用例を基本の項目にする
基本の項目は、管理ID、原語、言語、採用訳語、意味・定義、分野や対象製品、用例、参考資料、承認状況です。日本語から英語など一組の言語なら列を少なくできます。複数の対象言語や地域別の表記がある場合は、どの条件の訳語かが分かる構成にしてください。
定義には、その文書で何を指すかを記入します。「一般にはこの意味」という説明だけでは、会社固有の使い方が分かりません。仕様や画面の名称なら、対象の製品、機能、画面などを特定します。定義を確認する担当者は、語の意味を判断できる部門から選びます。
用例は、語が実際に登場する短い文章を使います。単語だけでは文脈が分からず、品詞や対象を取り違える可能性があります。原文と確認済みの訳文があれば両方を載せ、どこに使った例かも記録してください。個人情報や機密情報が含まれる用例は、共有条件に合わせて取り扱います。
同じ原語でも意味が異なる場合は、別のIDや行で管理します。逆に、一つの意味に複数の候補訳がある場合は、採用語と未採用の候補を分けます。「候補1/候補2」と同じセルに並べたままでは、翻訳者がどちらを使うべきか判断できません。
禁止表現・翻訳しない語・表記条件も記録する
使わない訳語がある場合は、禁止表現と理由を記録します。理由があると、似た表現を選ぶ場面でも判断しやすくなります。過去に使っていた語を変更した場合は、旧表記、切り替える日、既存資料を直すかどうかを記録してください。禁止語を設定するだけでは、公開済みの資料は更新されません。
会社名や製品名など、原語をそのまま残す場合も用語集に載せます。大文字・小文字、スペース、ハイフン、記号を指定し、文中での使い方を確認します。ロゴの表記と文章中の表記が異なる場合は、それぞれの条件を示すと、見た目の違いを誤りとして直すことを避けやすくなります。
略語は、正式名称と、初出時に展開するかを記録します。専門家向けの資料と一般向けのWeb記事では、説明の必要性が異なる場合があります。どの用途で略語を使うかを示し、一つのルールをすべての文書に当てはめないようにします。
英語の地域別表記や、中国語の文字体系なども対象条件として管理します。同じ言語名だけでは表記条件が伝わらない場合があります。対象地域、既存資料の表記、読者を確認し、用語集の言語・地域欄を翻訳の依頼条件と一致させてください。
Excelで作る翻訳用語集の記入例
以下は、構成を説明するための架空の例です。実際の製品用語として採用するものではありません。元の単語と英語を並べるだけでなく、意味、用例、条件、承認状況を記録する形を示しています。専門語の訳語は、対象の分野と原稿を確認して決めてください。
Excelで作る場合は、一行を一つの意味・言語条件の記録として扱います。見た目のためにセルを結合すると、並べ替えや抽出、ツールへの取り込みがしにくくなる場合があります。見出し行とデータ行を分け、同じ列に違う種類の情報を混ぜない構成にすると管理しやすくなります。
長い説明を一つのセルに詰め込むより、定義、用例、出典、注意点を分けます。表の色だけで承認状態を示すと、別形式で書き出した際に意味が伝わらないことがあります。「候補」「確認中」「承認済み」「廃止」など、文字の状態欄を用意すると、翻訳者が扱いを判断できます。
元データを別の翻訳ツールに取り込む場合は、必要な列、文字コード、言語コード、区切り文字などをそのツールの仕様で確認します。Excelで表示が整っていることと、正しく取り込めることは別です。少量の確認用データで、文字と列の対応を確かめてから全体を渡す方法が有効です。
| 項目 | 架空の記入例 |
|---|---|
| ID | TERM-001 |
| 原語 | 通知設定 |
| 訳語・言語 | Notification settings/英語 |
| 定義 | アプリの通知を設定する画面の名称 |
| 用例 | 「通知設定を開いてください。」 |
| 表記条件 | 見出し・画面表示の大文字は別途指定 |
| 出典 | 確認済み画面仕様書、版と該当箇所 |
| 状態・承認者 | 確認中/製品担当 |
| 更新日 | 確認・変更した日を記録 |
承認者と優先順位を決める
用語集を作る担当と、意味や採用表記を承認する担当を決めます。語を集める人が専門的な意味まで判断する必要はありません。会社名は管理部門、製品仕様の語は製品担当など、確認先を定めます。翻訳者が質問した際の窓口をまとめると、回答の不一致を減らしやすくなります。
既存の英文Web、製品仕様、過去の訳文などに違う表記がある場合は、優先順位を指定します。「以前の資料に合わせて」とだけ伝えると、どの資料を基準にするかが分かりません。承認済みの用語集、今回の原稿、参考資料の関係を依頼時に共有してください。
確認中の語は、採用済みと明確に分けます。翻訳の締め切りまでに承認が間に合わない場合は、仮の訳語で進めるか、該当箇所を保留するかを相談します。後で変更する予定があるなら、その範囲と確認日を記録し、最終版に未確定の内容が残らないようにします。
承認の結果は口頭だけで残さず、用語集や確認表へ反映します。メールで採用語を決めた場合も、一覧を更新し、どの版から有効かを示します。担当者の記憶に依存せず、次の翻訳案件でも同じ判断を参照できる状態にすることが目的です。
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翻訳の前に渡し、納品後の確認で使う
用語集は、翻訳が終わってから修正条件として渡すより、原稿と一緒に共有する方が活用しやすくなります。対象の原稿に関係する語を伝え、承認状況、使わない表現、参考資料を確認できるようにします。大量の語がある場合は、分野や製品で対象を絞った一覧も用意してください。
依頼時には、用語集を必須の指定として使うのか、過去の参考として使うのかを明確にします。文脈に合わない指定が見つかったときに、翻訳者が照会できる窓口も設けます。指定どおりに単純置換することだけを求めると、別の意味の語まで置き換える可能性があるためです。
納品後は、採用語が使われたか、条件に応じた表記かを確認します。機械的な検索で見つけられる表記と、文章を読んで判断すべき意味を分けると効率的です。活用形や語順の変化がある言語では、完全一致の検索だけで判断しないようにします。
修正が必要な場合は、原稿の箇所、用語ID、現在の表記、希望する表記、理由をまとめます。単に好みが変わったのか、原文の意味に問題があったのかも区別します。承認した語の変更は、今回の訳文だけでなく、用語集と次の案件へ反映することが必要です。
更新日・版・変更理由を管理する
用語集には版を付け、更新した日と担当者を残します。最新版を置く場所を決め、メールの添付や個人のPCにある複製が混ざらないようにします。案件へ渡した版も記録しておくと、後から「どの表記を基準にした翻訳か」を確認できます。
変更履歴には、用語ID、旧表記、新表記、変更理由、承認者、適用日を記録します。新しい製品のための追加と、既存の語の修正を分けると、影響範囲を把握しやすくなります。製品名の変更などでは、既存のWebやマニュアルを直す必要があるかも確認してください。
使わなくなった語は、すぐに痕跡を消すより、廃止状態にして後継語を示す方法があります。過去の資料との対応を追えるからです。ただし、翻訳者が廃止語を採用しないよう、対象の一覧から除外するか、状態を明確に示します。保管用と現行指定用を分ける場合は、その用途も伝えます。
定期的な点検では、未承認の語、重複、出典が古い語、別の意味が混在する語を確認します。語数を増やすことだけを目標にせず、問い合わせが減ったか、表記の修正が繰り返されていないかを見ます。実務で使われていない項目が多い場合は、構成や対象の絞り方を見直してください。
よくある作成ミスと改善方法
よくある問題は、訳語だけがあり、意味や用例がないことです。同じ原語が別の意味で使われる場合、指定が適切か判断できません。重要な語には定義と対象文書を追加し、分かりにくい語から用例をそろえます。全項目を一度に完璧にするより、使う案件の重要語を先に整える方法が現実的です。
候補と承認済みの語が混ざることも問題です。色やコメントに頼らず状態欄を設け、今回使用できる語を抽出して渡します。複数の訳語を併記するなら、それぞれを使う条件を記録してください。条件がない場合は、承認担当に判断を依頼し、翻訳者に選択を委ねたままにしないようにします。
用語集の更新だけで、過去の訳文がすべて新しい表記になると考えるのも避けましょう。翻訳メモリ、公開ページ、PDF、アプリの画面など、別のデータにも旧表記が残り得ます。変更時には、反映する対象と担当者を一覧にして確認します。
情報を詰め込みすぎる場合には、用語集とスタイルガイド、製品仕様の参照を分けます。用語集には判断に必要な要点と出典を置き、詳細資料へたどれるようにします。社外へ渡す前には、共有してよい内容か、アクセス方法、保存や更新の条件も確認してください。
翻訳会社に用語整理を相談するときの準備
相談時には、翻訳する原稿、既存の用語集、過去の訳文、参考資料、対象言語を用意します。用語集を新しく作りたいのか、候補の抽出、既存一覧の整理、訳語の検討、納品後の更新を希望するのかを伝えてください。それぞれ作業内容が違うため、翻訳だけの見積もりに含まれると決めないようにします。
社内でしか分からない意味や正式名称は、依頼者側が確認します。翻訳担当が候補を提案できても、会社の指定として承認する判断は別です。質問への回答者と期限を決め、候補の確認に必要な日程を翻訳の進行と合わせて相談します。
複数言語へ展開する場合は、共通の意味と、言語別の表記を分けて管理します。日本語と英語の一覧を、そのまま他言語へ転用する前に、各言語での用語と表記条件を確認してください。用語集の更新時にも、どの言語を更新したかが分かる記録を残します。
継続案件では、初回に作る項目と、次回以降の更新方法を合意します。完成した一覧の形式、承認済みの範囲、修正があった際の反映先、共有方法を決めておくと、担当者が変わっても引き継ぎやすくなります。用語集を納品して終わらせず、実際の翻訳の前後で使う流れを作りましょう。
ファーストネット翻訳サービスへ相談する場合
株式会社ファーストネットジャパンは1998年創業。ファーストネット翻訳サービスでは英語・中国語・韓国語をはじめ44言語・方言に対応し、用途、専門用語、表記、数値や固有名詞などを確認して翻訳をご提供しています。原稿の内容と必要な品質に応じて、スタンダードとハイクオリティの2つのプランからご相談いただけます。
| プラン | 基本単価の例 | 品質の考え方 |
|---|---|---|
| スタンダード | 日→英・中・韓:原文1文字10円〜(税別) | 通常の品質要件に対応する基本プラン |
| ハイクオリティ | 日→英・中・韓:原文1文字17円〜(税別) | 翻訳後のネイティブチェックを含むダブルチェック体制 |
この単価はすべての言語に共通する料金ではありません。翻訳の方向、分野、文書の状態、納品形式、希望納期で見積もり条件が変わります。最低料金は1案件20,000円(税別)です。主要16言語の単価は公式料金表で確認でき、それ以外の言語は個別見積もりとなります。原稿と対象言語を確認してから、必要な工程を整理します。
翻訳に加え、Illustrator・Photoshop・InDesign・Word・Excel・PowerPoint・Figmaなどへの文字入れ、DTP、多言語ホームページ制作、システムやアプリへの反映も相談できます。翻訳のみ、文字入れ込み、Web実装込みを同じ作業とせず、どこまでを依頼するか、確認用PDFや編集用データが必要かを共有してください。元データの状態によっては再制作などの工程が必要になるため、納品物の条件を先にそろえます。
納品後3か月は、合意した翻訳条件の範囲で無償修正に対応します。原文の変更、別の用途への作り替え、追加ページや新しい言語の制作は、元の修正と分けてご相談ください。初回は、原稿、使用目的、対象地域、希望納期、必要なファイル形式を添えてお問い合わせいただくと、対応範囲を確認しやすくなります。
見積もりでは、文字数やページ数に加え、用語集や参考資料の有無、編集可能なデータ、画像内文字、確認担当者と校正回数も共有してください。複数言語に展開するときは、共通の原稿を確定したうえで、それぞれの地域に必要な表記と表示領域を確認します。社内の承認を受けた名称や用語を早めに伝えることで、後工程での差し戻しを減らしやすくなります。
よくある質問
翻訳用語集は何語から作ればよいですか?
決まった語数はありません。会社名、製品名、繰り返し使う専門語、過去に修正が多かった語など、今回の翻訳に必要なものから始めます。
用語集にはどんな項目を入れますか?
原語、採用訳語、言語・地域、定義、用例、使わない表現、出典、承認状況、更新日などを記録します。どの意味で使う語かが分かることを重視します。
Excelで作ってもよいですか?
一覧として管理できます。一行に一つの意味・言語条件を記録し、見出しとデータを分けます。翻訳ツールへ取り込む場合は、列や形式の仕様を確認してください。
同じ語に複数の訳語を登録できますか?
使い分ける条件が分かる形で管理します。意味が異なるなら別の行やIDにし、未確定の候補と承認済みの採用語を混ぜないようにしてください。
用語集と翻訳メモリはどう違いますか?
用語集は語と採用表記を管理し、翻訳メモリは原文と訳文の組を再利用する仕組みです。用語の指定と文章の再利用は役割が異なります。
用語が変わったら何を更新しますか?
用語集の版と変更履歴を更新し、今回の訳文、過去の資料、翻訳メモリ、公開ページなどへの影響を確認します。対象と反映担当を決めてください。
まとめ
翻訳用語集は、原語と訳語に、意味、用例、表記条件、承認と更新の記録を加えることで活用しやすくなります。必要な語から始め、翻訳前に共有し、納品後の確認結果を次の版へ反映しましょう。
用語の抽出や整理を相談する場合は、原稿と既存資料、対象言語、社内の確認担当を共有してください。用語の意味を確定する作業と、各言語の訳語を検討する作業をそろえて進められます。
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参考資料
製品機能や公的な要件は2026年10月13日に公式資料を確認しています。利用する環境や提出先の条件に合わせて確認してください。
