最終更新日:2026年10月13日
翻訳DTPとは?多言語の文字入れ・組版と依頼時の確認ポイント【2026年最新版】

翻訳DTPは、訳文をデザインデータへ配置し、言語ごとに文字量・改行・フォント・図表などを調整する工程です。カタログやパンフレット、マニュアルを外国語へ展開するときは、翻訳原稿を作る作業と、実際の紙面で読める状態にする作業を分けて考えましょう。
元データの状態、翻訳する範囲、使用する言語、印刷かWebかによって必要な工程が変わります。本記事では、翻訳と文字入れ・組版の違い、発注前に準備するデータ、校正、納品後の更新までを整理します。
翻訳のご相談・お見積もりはこちら
- 1998年創業・官公庁や企業に対応
- 44言語・方言に対応
- 2つの品質プランをご用意
- 納品後3か月無償修正に対応
翻訳からWeb制作・DTPまで対応
翻訳からWeb制作・DTPまで対応
翻訳・文字入れ・DTPの違いを先にそろえる
翻訳は、原文の意味を別の言語で伝える訳文を作る作業です。文字入れは、その訳文をテキスト枠や図表などの所定の場所へ配置する作業です。DTPは、文字入れに加え、段組、余白、改行、書体、図表、ページの構成などを調整し、用途に合うデータへ整える工程として使われます。
ただし、これらの言葉の範囲は依頼先によって異なります。『DTP込み』という表現だけで、原稿の再制作、フォントの手配、画像の加工、印刷入稿まで含まれるとは限りません。訳文だけ、文字入れ済みデータ、確認用PDF、入稿用PDFなど、必要な納品物を具体的に示して見積もり範囲を確認します。
たとえば、既存の日本語カタログを英語へ展開する場合、表紙、本文、仕様表、脚注、注文条件を翻訳し、デザインへ反映してから全ページを確認します。紙面を変えたくない場合と、対象読者に合わせて構成も調整する場合では、制作の条件が違います。変更できる範囲と、承認が必要な範囲を決めておきましょう。
| 工程 | 成果物の例 | 事前に確認すること |
|---|---|---|
| 翻訳 | 訳文一覧・原稿 | 用語、対象地域、原文の意味 |
| 文字入れ | 訳文を配置した編集用データ | 対応箇所、編集可能性、画像内文字 |
| 組版・表示調整 | 紙面・画面に合うデータ | フォント、改行、余白、読みやすさ |
| 校正・出力 | 確認用PDF・合意した納品形式 | 確認担当、修正回数、印刷や公開条件 |
編集用データとPDFの役割を分ける
InDesignやIllustratorなどの編集用データは、文章や図形を変更するための原本です。PDFは、元の見え方を共有したり、書き出した結果を確認したりするために役立ちます。発注時は、編集用データと、原稿の表示が分かるPDFを両方そろえると、文字の位置と意味を確認しやすくなります。
データの拡張子だけで編集可能かを判断しないことも大切です。Illustratorのデータでも、文字がアウトライン化されていれば、その部分は文章として直接編集できません。PowerPointでも、表や図が画像として貼られている場合があります。必要な元ファイル、リンク画像、図表のデータを確認してください。
PDFや画像だけから制作する場合は、文字の抽出や、読み取った内容の照合、テキスト枠や図形の再作成が必要になることがあります。原稿に見える文字が小さい、画質が低い、ページが欠けていると、確認の手間が増えます。最初に代表的なページを共有し、何が再利用できるか、何を再制作するかを相談しましょう。
ファイル名と版もそろえます。『最終』『最終修正版』という名称だけでは、どれが正式原稿か判断しにくくなります。文書名、言語、版番号、確定日を記録し、旧版は作業用ファイルと区別します。複数の部署が原稿を持つ場合は、窓口担当者が同じ版を使っているかを確認します。
| 元データ | 確認項目 |
|---|---|
| InDesign | バージョン、リンク画像、フォント、関連ファイル |
| Illustrator・Photoshop | 文字やレイヤーの編集可否、アウトライン、画像解像度 |
| Word・PowerPoint | テキスト・図表・画像内文字の状態、表示の基準 |
| PDF・画像のみ | 文字抽出と再制作の要否、画質、全ページの有無 |
翻訳対象と、変更しない情報を一覧にする
対象には、本文だけでなく、表紙、見出し、図表、凡例、脚注、目次、ページ番号の表記、Webアドレス、画像の説明などが含まれます。どこを訳すか、どこをそのまま残すかを決め、ページやオブジェクトの位置と対応させます。細かな注記ほど、翻訳後に意味や対象が変わっていないかの確認が必要です。
製品コード、数値、単位、正式名称、ロゴ内の文字などは、翻訳しない場合もあります。一方、同じ単位記号でも、表示方法や桁区切りを対象地域に合わせることがあります。数値そのものを変える作業と、表記を変える作業は区別し、換算や内容変更を行う場合は原稿責任者の承認を受けます。
画像内文字を修正する場合は、元画像の編集データがあるかを確認します。スクリーンショットのボタン名を外国語へ差し替えるのか、日本語画面に外国語の説明を付けるのかによって、作業の目的が変わります。実際の製品画面と異なる状態を作らないよう、何を示す画像なのかを共有してください。
対象を一覧化することで、『翻訳対象外だった』『文字入れだけと思っていた』という認識の違いを減らしやすくなります。たとえば『4ページ右下の注意書きは全文を翻訳し、製品型番は原表記を維持。画像部分は社内で差し替える』というように、文章と制作の担当を明記します。
文字量・改行・フォントを言語ごとに確認する
日本語で収まっていた見出しが、別の言語では長くなることがあります。文字を一律に縮める前に、意味を保った簡潔な訳にできるか、改行位置を変えられるか、余白や段組を調整できるかを検討します。翻訳担当者と制作担当者が、文章の意味と表示の両方を確認することが大切です。
フォントは、その言語の文字を表示できるかだけでなく、記号、アクセント、数字、太字なども確認します。画面では表示されていても、別の端末や書き出し後に置き換わる場合があります。使用するフォント、受け渡し方法、埋め込みや配布の利用条件を確認し、納品先で同じ見え方を保てるかを確かめてください。
中国語では対象地域に合わせた簡体字・繁体字や用語、英語では対象地域の表記、タイ語や南アジアの言語では文字の組み合わせや改行の扱いを確認します。言語ごとの違いを、すべて日本語と同じ文字幅や行数へ機械的に押し込めないようにします。
見た目を整えるために内容を削る場合は、その削除を原稿責任者が承認したかを記録します。注意書きの一部や、保証の条件を落として収めることは避けましょう。長い訳文が必要な箇所は、ページ構成や枠を変えるなど、情報を保つ調整を相談します。
右から左の言語や複雑な文字は、制作環境も確認する
アラビア語やヘブライ語などでは、文章の向き、文字のつながり、数字や英語が混在する場合の並び方を確認します。文字を右寄せすることだけで、適切な組版になるとは限りません。翻訳した文字列を正しく表示できるアプリ、フォント、言語設定、組版機能が必要です。
AdobeはInDesignのWorld-Ready Composerについて、複雑な文字や左右方向が混在する文章の組版を案内しています。利用できる機能や設定は製品の版や言語環境によって違うため、対応する環境を公式資料で確認します。特定の設定名を入れたことだけで、すべての紙面が正しくなったと判断しないようにしましょう。
外国語と製品コード、電話番号、括弧、価格などが同じ行にある場合は、その並びも確認します。テキストとしての順序と、画面に見える順序が一致しているかを、実際の出力で点検します。コピーや検索が必要なPDFでは、見た目だけでなく、文字情報の利用にも配慮します。
特殊な言語のデータを受け渡すときは、編集環境と確認用PDFをセットにします。制作後の修正を別の担当者が行う場合は、必要な環境や、変更してよい箇所を共有してください。翻訳・組版・原稿内容の確認を同じ一人の作業だと決めず、案件に必要な確認工程を合意します。
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紙面の調整例で、意味と見え方を一緒に見る
以下は作業の考え方を説明するための創作例です。実際の案件や、特定のソフトで測定した結果ではありません。たとえば『平日9:30〜18:30受付』という案内を別言語へ展開する場合、曜日、時間、タイムゾーンを原稿の条件に合わせて確認し、見出しの長さに応じて改行を調整します。
表の列幅が足りない場合も、短い単語へ置き換えるだけで終えません。仕様名の意味、数値と単位の関係、見出しと注記の対応を確かめます。文字が小さくなった結果、注記だけ読めない状態になっていないかを、実際に配布するサイズで確認してください。
制作の修正指示は、ページ番号、場所、修正前、修正後、理由をそろえて伝えます。『右側の文字を短くする』より、『8ページ仕様表の第2列。正式名称は維持し、二行に改行する。意味の変更はしない』という指示の方が、反映結果を確認しやすくなります。
| 起こりやすいこと | 調整の方向 | 意味の確認 |
|---|---|---|
| 見出しが長くなる | 表現・改行・余白を調整 | 対象や条件が省かれていないか |
| 表の列に収まらない | 列幅・段落・ページ構成を見直す | 数値、単位、見出しの対応 |
| 特殊文字が欠ける | フォント・環境・出力を確認 | 正しい文字と表示が一致するか |
| 注記が読みにくい | 配布サイズで配置と大きさを調整 | 必要な説明が残っているか |
翻訳校正と、レイアウト校正を分けて記録する
翻訳校正では、原文の意味、用語、数値、固有名詞、訳抜け、情報の追加を確認します。レイアウト校正では、配置、改行、文字の欠け、図表の対応、ページの連続性などを確認します。文章が正しくても配置が違えば読み手に伝わらず、見た目が整っていても意味が違えば目的を果たせません。
一つの確認用PDFに複数の人が修正を入れるときは、修正の種類と承認者を分けます。専門用語の変更は原稿担当、正式名称は管理担当、紙面の調整は制作担当など、判断する人を決めておきましょう。表現の好みで異なる指示が出た場合は、正式な採用案を窓口で整理します。
確認では、修正したページだけでなく、同じ用語が出る他の箇所も点検します。表紙の製品名を変えたのに本文や目次が旧表記のままになることを防ぐため、変更一覧と用語表を更新してください。自動置換を使う場合も、別の意味の文章まで置き換わっていないかを確認します。
納品前には、全ページの有無、言語表示、対象版、数値、図表、リンク、使用するファイル形式を確認します。確認済みのPDFと編集用データの版が一致しているかをチェックし、承認後に別のファイルを書き出す場合は、その出力も確認の対象にします。
印刷用とWeb用で、必要な納品条件を決める
印刷物では、仕上がりサイズ、塗り足し、色、画像解像度、ページ構成など、印刷会社が求める条件を確認します。翻訳会社や制作会社が紙面を調整しただけで、すべての印刷工程の条件が決まるとは限りません。入稿先の指定を共有し、誰が最終的な出力を作るかを合意しましょう。
Webで配布するPDFや画像では、画面サイズ、ファイル容量、文字の読みやすさ、検索やコピーの必要性、リンク先などを確認します。紙面の見た目を保つことと、スマートフォンで使いやすくすることでは、適した構成が違う場合があります。用途に合わせて納品形式を分けることも検討します。
編集用データを納品する場合は、アプリの版、関連ファイル、フォントの扱い、編集できる部分を確認します。印刷用PDFだけを受け取った後で、自社で大幅な改訂を行うのは難しいことがあります。今後誰が更新するかを先に決めて、必要な原本と確認用ファイルをそろえましょう。
複数言語の公開では、日本語版を更新した日だけでなく、各言語へ反映した日を管理します。営業条件や営業時間が変わったときに、古いPDFや案内板が残らないよう、公開場所と配布先も一覧にします。翻訳と制作を一回の作業で終わらせず、次の改訂に必要な記録を残すことが役立ちます。
料金と納期は、原稿と制作工程を見て確認する
翻訳DTPの見積もりでは、翻訳する言語、文字量、ページ数に加え、元データの状態、画像内文字、図表、組版の難しさ、校正回数、納品形式を確認します。同じ10ページでも、短い見出し中心の資料と、仕様表や注意書きが多い資料では作業条件が異なります。
ファーストネット翻訳サービスの公式料金表には、デザインレイアウト済み原稿への訳文挿入について1ページ4,000円〜という目安を掲載しています。翻訳料金や、再制作・複雑な処理を含む総額ではありません。実際の原稿、対象言語、納品条件を共有して、どの工程が含まれるかをご確認ください。
納期には、翻訳、文字入れ、確認、修正、承認、書き出しの時間を含めます。社内の専門担当者や印刷会社の確認が必要な場合は、その日程も先に伝えます。原稿確定前に作業を始める場合は、変更による追加作業や、最終版の確認時点を明確にしてください。
見積もり依頼では、編集用データとPDF、対象範囲、言語と地域、用途、希望納期、必要な納品形式、今後の更新予定を添えると話を進めやすくなります。小さなサンプルだけで全体の費用を確定するのではなく、図表や複雑なページを含む実際の構成を共有します。
ファーストネット翻訳サービスへ相談する場合
株式会社ファーストネットジャパンは1998年創業。ファーストネット翻訳サービスでは英語・中国語・韓国語をはじめ44言語・方言に対応し、用途、専門用語、表記、数値や固有名詞などを確認して翻訳をご提供しています。原稿の内容と必要な品質に応じて、スタンダードとハイクオリティの2つのプランからご相談いただけます。
| プラン | 基本単価の例 | 品質の考え方 |
|---|---|---|
| スタンダード | 日→英・中・韓:原文1文字10円〜(税別) | 通常の品質要件に対応する基本プラン |
| ハイクオリティ | 日→英・中・韓:原文1文字17円〜(税別) | 翻訳後のネイティブチェックを含むダブルチェック体制 |
この単価はすべての言語に共通する料金ではありません。翻訳の方向、分野、文書の状態、納品形式、希望納期で見積もり条件が変わります。最低料金は1案件20,000円(税別)です。主要16言語の単価は公式料金表で確認でき、それ以外の言語は個別見積もりとなります。原稿と対象言語を確認してから、必要な工程を整理します。
翻訳に加え、Illustrator・Photoshop・InDesign・Word・Excel・PowerPoint・Figmaなどへの文字入れ、DTP、多言語ホームページ制作、システムやアプリへの反映も相談できます。翻訳のみ、文字入れ込み、Web実装込みを同じ作業とせず、どこまでを依頼するか、確認用PDFや編集用データが必要かを共有してください。元データの状態によっては再制作などの工程が必要になるため、納品物の条件を先にそろえます。
納品後3か月は、合意した翻訳条件の範囲で無償修正に対応します。原文の変更、別の用途への作り替え、追加ページや新しい言語の制作は、元の修正と分けてご相談ください。初回は、原稿、使用目的、対象地域、希望納期、必要なファイル形式を添えてお問い合わせいただくと、対応範囲を確認しやすくなります。
見積もりでは、文字数やページ数に加え、用語集や参考資料の有無、編集可能なデータ、画像内文字、確認担当者と校正回数も共有してください。複数言語に展開するときは、共通の原稿を確定したうえで、それぞれの地域に必要な表記と表示領域を確認します。社内の承認を受けた名称や用語を早めに伝えることで、後工程での差し戻しを減らしやすくなります。
よくある質問
翻訳DTPは翻訳だけの依頼と何が違いますか?
訳文を作る作業に加え、デザインへの文字入れや組版・表示確認を行う工程です。翻訳のみ、文字入れ済みの編集用データ、確認用PDFなど、必要な成果物を示して作業範囲を合意してください。
PDFしかなくても依頼できますか?
相談できますが、文字の抽出や原稿の照合、紙面の再制作が必要になる場合があります。元の編集用データの有無、画質、ページの欠け、画像内文字などを確認してから、対応範囲と見積もりをご案内します。
フォントは一緒に渡す必要がありますか?
使用フォントや納品先の環境は共有してください。ただし、フォントファイルの受け渡しや埋め込みには利用条件があります。提供元の規約を確認し、代替フォントや確認用PDFを使う場合も含めて方法を合意します。
アラビア語などの文字入れも、右寄せすればよいですか?
右寄せだけで適切な組版になるとは限りません。文章方向、文字のつながり、数字や括弧の並び、フォント、制作環境を確認します。対応する環境と、実際の出力での表示確認が必要です。
印刷用PDFまで依頼できますか?
必要な形式と入稿先の指定を共有してご相談ください。仕上がりサイズや出力条件、最終確認の担当を合意します。文字入れ済みデータの制作と、印刷会社への入稿作業の範囲は分けて確認してください。
費用と納期を知るには何が必要ですか?
原稿の編集用データとPDF、言語、対象範囲、用途、納品形式、希望納期を共有します。公式料金表の訳文挿入1ページ4,000円〜は目安で、翻訳や再制作を含む案件総額ではありません。最低料金は1案件20,000円(税別)です。
まとめ
翻訳DTPでは、訳文の意味と、紙面や画面での読みやすさを一緒に確認することが大切です。編集用データ、対象範囲、言語、納品条件をそろえ、翻訳、文字入れ、校正、最終出力の担当を決めましょう。
ファーストネット翻訳サービスでは、翻訳から文字入れ・DTP、Web制作までご相談いただけます。元データと使用目的、必要な納品形式を添えてお問い合わせください。
翻訳のご相談・お見積もりはこちら
- 1998年創業・官公庁や企業に対応
- 44言語・方言に対応
- 2つの品質プランをご用意
- 納品後3か月無償修正に対応
翻訳からWeb制作・DTPまで対応
翻訳からWeb制作・DTPまで対応
参考資料
製品機能や公的な要件は2026年10月13日に公式資料を確認しています。利用する環境や提出先の条件に合わせて確認してください。
