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最終更新日:2026年10月24日

やさしい日本語とは?社内通知・案内文の書き換え例と多言語翻訳の使い分け【2026年最新版】

翻訳情報

やさしい日本語を示す記事のアイキャッチ

この記事の監修者

齊藤 真也

株式会社ファーストネットジャパン 代表取締役

1998年の創業以来、ホームページ制作・翻訳・アプリ開発・Webマーケティングなど幅広いIT/クリエイティブ領域で4,000件超のプロジェクトを統括。
英語・中国語をはじめとする多言語翻訳サービスの提供を通じて、海外展開や多言語対応を進める中小企業の課題解決を27年以上にわたり支援してきた。
翻訳とWeb制作をワンストップで対応できる体制を整え、経済産業省・電通・テレビ朝日など大手企業・官公庁との取引実績も多数。
大阪本社・東京オフィスの2拠点体制で、全国の企業のグローバル対応をサポートしている。

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やさしい日本語とは、難しい言葉や複雑な言い回しを見直し、相手に伝わりやすい形に整えた日本語です。単に漢字をひらがなに変えることでも、子ども向けの話し方にすることでもありません。伝える情報を整理し、読み手が必要な行動を理解できるようにすることが出発点です。

企業では、外国人社員への社内通知、研修の案内、施設の利用説明などで検討できます。ただし、日本語をどの程度理解できるかは人によって異なり、やさしい日本語だけで全員へ確実に伝わるわけではありません。必要に応じて多言語翻訳や口頭での説明を組み合わせます。

この記事では、公式ガイドラインの考え方を踏まえ、企業の担当者が案内文を整える手順と自作の書き換え例を紹介します。就業規則や制度の内容そのものを変更する作業とは区別し、意味や条件を保ちながら分かりやすくする方法を解説します。

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やさしい日本語は、相手と目的に合わせた情報の伝え方

出入国在留管理庁と文化庁が作成した「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」は、外国人への情報発信について、情報整理、文章の見直し、分かりやすさの確認を段階的に行う考え方を示しています。資料は文部科学省のやさしい日本語関係ページで確認できます。

企業の案内文でも、まず誰に何を伝えるかを決めます。すでに日本の制度や社内用語に慣れている人と、初めて説明を受ける人では、必要な背景説明が違います。国籍だけで日本語の理解度を判断せず、実際の読者に合わせて調整してください。

大切なのは、読み手を一括りにしないことです。専門用語は分かるが敬語が難しい人、会話はできるが長い文章を読むのが難しい人など、得意なことは異なります。何が分かりにくかったかを確認しながら、言葉、構成、表示方法を改善します。

やさしい日本語は、情報を少なくすること自体を目的にしません。期限や条件を省いて短くすると、かえって誤解を招く場合があります。必要な情報を残し、順序と表現を工夫するという考え方で進めましょう。

書き換える前に、伝える情報を整理する

原文に含まれる情報を、「誰に関係するか」「何をするか」「いつまでか」「どこで行うか」「分からないときに誰へ聞くか」に分けます。一つの通知に複数の目的が入っている場合は、見出しを分けたり、案内そのものを別にしたりすると、読む人が必要な情報を探しやすくなります。

担当者にとって当然の内容も、初めて読む人には分からないことがあります。「所定の様式」「担当窓口」「事前申請」などは、どの書類を、どこで入手し、誰へ出すかまで示せるかを確認します。書類の正式名称が必要なら、その名称と説明を組み合わせましょう。

確認する情報 案内文に残す内容の例
対象 全社員なのか、特定の部署・勤務形態の人なのか
行動 記入する、持ってくる、送るなど具体的に何をするか
期限・場所 年月日、時刻、提出先、建物や部屋の名称
条件・例外 対象外となる場合、変更できる場合、連絡が必要な場合
問い合わせ 誰へ、どの手段で、いつ連絡できるか

原文に情報が不足している場合は、書き換える人が推測して埋めないようにします。提出先や時間などは、内容の責任者へ確認してから補います。言葉を簡単にする工程と、業務条件を確定する工程を分けることが大切です。

難しい言葉は、意味を保って言い換える

難しい漢語、長い敬語、社内独自の略語、意味が広い外来語を探します。よく使う言葉でも、読み手が知らなければ説明が必要です。一方で、すべてを別の言葉に置き換えると、正式な書類や画面の名称が分からなくなる場合があります。

元の表現の例 言い換えの候補 確認したいこと
ご持参ください 持ってきてください 何を、いつ、どこへ持ってくるか
ご記入ください 書いてください 書く欄や必要な内容
不明な点は担当者へ 分からないことは○○さんに聞いてください 担当者名や連絡先が正しいか
所定の申請書を提出 「○○申請書」を出してください 正式名称と入手・提出方法

表の言い換えは、説明用の候補です。○○などの未確定部分は、そのまま配布せず、実際の情報に置き換えます。「提出」を「出す」に変えるときも、メールで送るのか、紙を渡すのかを示すと、行動を理解しやすくなります。

専門用語を残す必要があるなら、初出で短い説明を付けます。給与や人事制度の名称を勝手に別の制度名へ変えないようにしてください。正式名称と平易な説明を対にし、社内の別文書や問い合わせ窓口でも同じ言葉を使うと、情報をたどりやすくなります。

一文を短くし、行動する順番で並べる

一つの文に、理由、対象、条件、手順、期限が重なると読み取りにくくなります。文を分けるときは、意味のまとまりで区切り、条件がどの行動に掛かるかを保ちます。文の長さだけで機械的に区切ると、例外の対象が分からなくなる場合があります。

案内は、読み手が行動する順番に並べると使いやすくなります。最初に必要な書類を確認し、次に記入し、最後に提出するなら、その順番を見出しや箇条書きに反映します。主催側の事情を長く説明してから行動を示すより、目的と必要なことを先に伝えましょう。

受け身の文章は、誰が行動するかを確認します。「変更されます」だけでは、会社が変えるのか、本人が変更できるのかが曖昧なことがあります。ただし、原文にない責任者を勝手に足さず、内容の担当者へ確認してから明示してください。

否定が重なる言い方にも注意します。「忘れずに提出しないことのないように」といった複雑な表現を避け、必要な行動を肯定文で示せるかを検討します。一方、禁止や対象外であることが重要なら、その意味を弱めず明確に伝えます。

自作の例で見る、社内通知の書き換え

次は、健康診断の申込用紙について作成した架空の通知です。実在の会社の制度や、医療上の案内ではありません。対象者、期限、提出方法を保ち、行動を分ける例として示します。

書き換え前
今年度の健康診断対象者は、申込用紙に必要事項をご記入のうえ、2026年10月30日17時までに総務担当へご提出ください。期限までの提出が難しい場合は、事前に総務担当へご連絡ください。

書き換え例
今年度の健康診断を受ける人へのお知らせです。
1. 「健康診断の申込用紙」に、必要なことを書いてください。
2. 2026年10月30日 午後5時までに、用紙を総務担当に出してください。
3. 期限までに出すことが難しい人は、期限より前に総務担当へ連絡してください。

この例では、「対象者」の説明を行い、記入・提出・相談を分けています。ただし、申込用紙がどこにあるか、総務担当が誰かは、元の文だけでは分かりません。実際に使うときは、内容を確認して、入手先や連絡方法を補う必要があります。

日付と時刻は省略しません。また、「提出が難しい場合に連絡する」という条件を、自由に期限を延ばせるという意味へ変えないことが大切です。書き換え後も、業務上の条件が同じかを責任者が確認してください。

書き換えた文章は、原文と並べて保存します。次年度に日付だけ変えて使い回す前に、対象者、様式、提出先、手順も同じかを確認すれば、古い情報の残存を防ぎやすくなります。

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数字・条件・正式名称を省略しない

やさしい日本語にするときも、金額、時間、回数、対象範囲、義務や禁止、例外は重要な情報です。「なるべく早く」「あとで」「必要な人」といった曖昧な表現で済ませず、原文の条件を確認して具体的に示せるかを検討します。

たとえば「利用できるのは月2回まで」を「何回か使えます」とすると、上限が伝わりません。「土日祝日を除く3営業日以内」を単に「3日以内」とすると、数え方が変わります。読みやすさのために条件を失わないようにしましょう。

就業規則、雇用条件、契約、手続案内などでは、正式な文書と説明文を区別して管理します。平易な説明を作ることが、制度の変更や正式な条項の置き換えになるとは限りません。どの文書が何のための説明なのか、確認担当者と共有してください。

安全に関わる指示や複雑な制度の説明では、文章の書き換えだけで十分かを検討します。図解、実物、口頭での確認、多言語の説明などを組み合わせ、実際の読み手が必要な内容を理解できるかを確かめることが重要です。

文字・レイアウト・図を使って読みやすくする

読みやすさは、語彙だけで決まりません。見出し、余白、段落、箇条書き、文字の大きさ、図と文章の対応も確認します。長い文章を一つの画像に詰め込むより、必要な情報を見つけやすく配置することを意識してください。

漢字を使う場合は、読者に合わせてふりがなを付けるか検討します。一方、すべてをひらがなにすると、言葉の区切りが分かりにくくなることがあります。漢字の量だけを合否基準にせず、実際の読みやすさを確認します。

施設名や窓口名は、現地の表示や案内図とそろえます。読みやすい言葉へ変えた結果、建物に掲示された名称と一致しないと、目的の場所へ到着できないことがあります。正式名称に説明を添え、写真や地図と対応させる方法を検討しましょう。

スマートフォンでも読む案内なら、改行、表の幅、リンクの押しやすさを確認します。色だけで重要事項を分けず、見出しや言葉でも意味を伝えます。PDFや紙にするときは、印刷後に小さくなった文字や、図の中に残った難しい説明も見直してください。

伝わったかを、具体的な質問で確かめる

作成者だけで読みやすさを判断せず、対象読者に近い人や、内容・言語の確認を担う人に読んでもらいます。日本語の理解度には個人差があるため、一人が分かったから全員に伝わると断定しないようにしましょう。

確認では「分かりましたか」だけで終わらず、「何を持ってきますか」「いつまでに出しますか」「難しい場合は誰に連絡しますか」と尋ねる方法があります。相手を試すためではなく、文章のどこを改善する必要があるかを知るための確認です。

理解が異なっていた場合は、責任を読み手に置かず、言葉、順序、情報の不足を見直します。問い合わせが繰り返される箇所は、文章だけでなく、制度の説明や手続そのものが複雑でないかを確認する手がかりにもなります。

確認した人、使用した原稿、分かりにくかった点、修正内容、承認日を記録すると、継続的な改善に役立ちます。翌月や翌年度の案内にも、確認結果を引き継げるようにしましょう。

文章の難しさを調べるツールや自動の書き換えを使う場合は、その結果を確認の補助として扱います。自動判定で読みやすいと表示されても、期限、制度の条件、正式名称、対象者の理解まで確認できたとは限りません。原文と照合し、実際の読者に伝わるかを確かめます。

ツールが示す候補を採用するときは、どの言葉を何に変えたかを残しておくと見直しやすくなります。社内規程や個人情報を含む原稿を外部のツールへ入力する場合は、利用が認められた環境と取扱条件を先に確認してください。

多言語翻訳と組み合わせる場面を判断する

やさしい日本語と多言語翻訳は、どちらか一方だけを採用しなければならないものではありません。読者が日本語を読めるか、内容がどの程度複雑か、誤解した場合にどのような影響があるかを踏まえ、必要な方法を組み合わせます。

確認したい状況 検討する対応
日常的な短い案内で、日本語を使って確認できる やさしい日本語と図、問い合わせ先を組み合わせる
日本語では重要な条件を十分に理解しにくい 必要な言語への翻訳と、理解の確認を検討する
制度・権利義務などの説明が複雑 内容責任者の確認と、適した言語での説明を確保する
複数言語へ継続して展開する 共通の原稿、正式用語、改訂履歴と更新担当を整える

翻訳する場合も、原文を整理することは役立ちます。主語が曖昧で、条件の掛かり先が分からない日本語は、翻訳時にも確認が必要になります。ただし、原文を短くする際に正式な条件を落とさず、内容責任者が承認した版を基準にしてください。

外国人社員への文書展開については就業規則翻訳の準備、研修や営業資料については資料翻訳の進め方で、依頼する情報や版管理を紹介しています。

担当者が使える、作成から更新までのチェックリスト

運用では、文章を作る人、内容を決める人、実際に使う人の役割を分けると確認しやすくなります。まず一つの案内を対象に、次の項目を確認してください。すべての通知に同じ言い換えを機械的に当てはめるより、よく使う通知から実例を蓄積していく方法が実務的です。

  • 読者と目的:誰が読んで、何ができればよいかを決めたか
  • 情報の保持:対象、日時、場所、条件、例外、問い合わせ先が残っているか
  • 文章:難しい語、曖昧な表現、複雑な文のつながりを見直したか
  • 表示:実際の紙・PDF・スマートフォンで読みやすいか
  • 確認:内容責任者の承認と、読み手に近い人による理解の確認を行ったか
  • 更新:原文と説明文、多言語版の版・担当者・変更箇所を記録したか

確認済みの表現を再利用するときも、意味が同じ場合に限ります。同じ「申請」でも、福利厚生の申請、契約の手続、社内システムの登録では条件が異なります。言い換えの一覧を作るなら、使用場面や補足も記録すると誤用を減らせます。

公開や配布後に内容が変わったら、やさしい日本語版だけを直して終わらず、原文、添付書類、他言語版、リンク先も確認します。同じ案内の異なる版が残らないよう、差し替えと周知の方法まで決めておきましょう。

翻訳の準備ができたらファーストネット翻訳サービスへ

やさしい日本語を整える過程で、外国人社員や海外の読者に必要な言語への翻訳が必要になった場合は、ファーストネット翻訳サービスへご相談ください。対象読者、原稿の用途、正式名称、変更してはいけない条件、希望する納品形式を共有してください。

正式な文書、平易な説明文、翻訳する原稿の関係を整理しておくと、確認しやすくなります。今回のご案内は多言語翻訳についてのもので、やさしい日本語への書き換えや制度上の判断まで一律に提供を約束するものではありません。必要な作業範囲は原稿を基にご相談ください。

株式会社ファーストネットジャパンが運営するファーストネット翻訳サービスは、英語・中国語・韓国語など44言語・方言に対応しています。原稿の用途と品質要件に合わせて、スタンダードとハイクオリティの2つのプランをご案内します。ハイクオリティでは翻訳後にネイティブチェックを行うダブルチェック体制を採っています。

公式料金表では、日本語から英語・中国語・韓国語への翻訳は、スタンダードが原文1文字10円〜、ハイクオリティが17円〜で、税別です。他言語や専門性の高い原稿などは条件により異なり、最低ご請求額は1案件20,000円です。文字数の算定範囲、確認工程、希望納期、文字入れやDTPの有無を共有して、対応言語・料金と個別見積もりをご確認ください。

よくある質問

やさしい日本語とは何ですか?

難しい言葉や複雑な表現を見直し、相手に伝わりやすい形に整えた日本語です。情報を整理し、必要な行動や条件が分かるようにすることを重視します。

全部ひらがなにすればよいですか?

漢字をひらがなへ変えるだけでは十分とは限りません。言葉の区切りや正式名称も考え、ふりがな、文の分割、見出しや図を組み合わせて読みやすさを確認します。

子ども向けの言葉にすればよいですか?

読み手を子どもとして扱う表現にすることではありません。大人として相手を尊重し、理解度や必要な情報に合わせて、簡潔で具体的な言葉を選びます。

就業規則も短く書き換えて配れば十分ですか?

正式な規則と説明文の役割を分け、権利義務や条件を省略しない確認が必要です。内容責任者の承認と、必要な言語での説明や翻訳を検討してください。

やさしい日本語なら多言語翻訳はいりませんか?

日本語を理解できる程度は人によって異なります。重要な条件を十分に伝えにくい場合は、多言語翻訳、図、口頭での説明などを組み合わせ、理解を確認します。

書き換えた文章はどう確認しますか?

原文と条件が同じかを内容責任者が確認し、読み手に近い人にも読んでもらいます。何を、いつ、どこで行うかを具体的に尋ね、分かりにくい部分を見直します。

参考資料・関連記事

この記事は2026年10月24日時点で確認した資料に基づいています。掲載した文例・記入例は説明用に作成した架空の例です。実際の運用では、対象文書・利用目的・契約条件と最新の公式情報を確認してください。

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この記事の監修者

齊藤 真也

株式会社ファーストネットジャパン 代表取締役

1998年の創業以来、ホームページ制作・翻訳・アプリ開発・Webマーケティングなど幅広いIT/クリエイティブ領域で4,000件超のプロジェクトを統括。
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