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最終更新日:2026年8月8日

特許翻訳とは?明細書・クレームの品質管理と翻訳会社の選び方【2026年最新】

専門翻訳

 

特許翻訳とは

この記事の監修者

齊藤 真也

株式会社ファーストネットジャパン 代表取締役

1998年の創業以来、ホームページ制作・翻訳・アプリ開発・Webマーケティングなど幅広いIT/クリエイティブ領域で4,000件超のプロジェクトを統括。
英語・中国語をはじめとする多言語翻訳サービスの提供を通じて、海外展開や多言語対応を進める中小企業の課題解決を27年以上にわたり支援してきた。
翻訳とWeb制作をワンストップで対応できる体制を整え、経済産業省・電通・テレビ朝日など大手企業・官公庁との取引実績も多数。
大阪本社・東京オフィスの2拠点体制で、全国の企業のグローバル対応をサポートしている。

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海外での特許出願や外国企業の特許調査などでは、一般的なビジネス翻訳とは異なる「特許翻訳」が必要になります。特許文書には専門的な技術用語が多く、さらに特許請求の範囲(クレーム)のように、表現の違いが文書の解釈に影響しやすい部分もあります。

そのため特許翻訳では、語学力だけでなく、対象となる技術分野の理解、用語の一貫性、原文との対応関係を意識した翻訳が重要です。また、海外出願に関係する場合はPCT国際出願や各国・地域の手続も踏まえて翻訳を準備する必要があります。

この記事では、特許翻訳とは何か、特許明細書やクレームの翻訳で注意すべきポイント、AI翻訳との使い分け、特許翻訳会社を選ぶ際の確認事項まで、企業の知財・法務・研究開発担当者向けに解説します。

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特許翻訳とは

特許翻訳とは、特許出願や権利化、特許調査などに関係する文書を別の言語へ翻訳する専門翻訳です。

代表的な文書には、特許明細書、特許請求の範囲(クレーム)、要約書、図面中の説明などがあります。海外で特許権を取得する場合には、日本語で作成された文書を英語・中国語などへ翻訳するケースだけでなく、海外で作成された特許文書を日本語へ翻訳するケースもあります。

一般的な文章では、読みやすさを優先して文章を言い換えることもあります。一方、特許翻訳では原文の意味や論理関係を正確に維持することが重要であり、自由な意訳が適さない場面が多くあります。

また、翻訳会社が行う「翻訳」と、特許出願手続や権利範囲についての法的判断は別の業務です。出願手続、クレームの法的評価、各国の制度への対応については、弁理士・特許事務所などの専門家へ確認する必要があります。

特許翻訳で扱われる主な文書

特許に関する翻訳では、次のような文書が対象になります。

文書 主な内容 翻訳時のポイント
特許明細書 発明の内容、技術分野、背景技術、実施形態など 技術内容を理解し、用語を文書全体で統一する
特許請求の範囲(クレーム) 特許として保護を求める内容を記載する部分 構成要件や文章の論理関係を正確に把握する
要約書 発明の概要を簡潔にまとめた文書 原文の情報を過不足なく簡潔に表現する
図面中の文字 部品名、符号、注記など 本文と図面で名称・用語を一致させる
特許公報 公開された特許情報 調査目的に応じて必要箇所を正確に翻訳する
特許関連の通知・参考資料 審査や出願に関連して参照する各種文書 技術用語と特許用語の両方を確認する

特許庁が案内する外国語書面出願でも、明細書、特許請求の範囲、要約書、図面などが主要な書類として扱われています。詳細は特許庁の翻訳文提出書に関する案内で確認できます。

特許翻訳と一般翻訳・技術翻訳の違い

特許翻訳は技術翻訳の一分野ともいえますが、通常の技術文書とは目的が異なります。

種類 主な目的 重視されるポイント
一般翻訳 文章の内容を別言語の読者へ伝える 自然さ、読みやすさ、文脈
技術翻訳 製品・技術・操作方法などを正確に伝える 専門用語、技術理解、正確性
特許翻訳 特許出願・権利化・調査等に使用する 技術理解、用語統一、原文との対応、論理構造

たとえば製品マニュアルであれば、利用者が理解しやすいように文章を調整することがあります。しかし特許明細書やクレームでは、読みやすさを優先して情報を追加・省略すると、原文との意味の対応が変わるおそれがあります。

技術翻訳全般については、以下の記事もご覧ください。

【関連記事】
技術翻訳とは?対応分野・専門性・翻訳会社の選び方

特許翻訳が難しい4つの理由

1. 技術内容を理解する必要がある

特許文書には、機械、電気・電子、半導体、IT、AI、化学、材料、医療、バイオなど、専門分野ごとの技術用語が多数登場します。

単語だけを置き換えても、技術の仕組みを理解していなければ適切な訳語を選択できないことがあります。そのため、対象分野に関する知識や翻訳経験が重要です。

2. 用語の一貫性が重要になる

同じ部品や技術を、文章の途中で別の訳語へ変更すると、別の構成要素を意味しているように読める場合があります。

特許翻訳では、用語集や既存の特許文書、過去の翻訳文などを活用し、文書全体で訳語を統一することが重要です。

3. 長く複雑な文章を正確に解析する必要がある

特許文書では、一つの文章に複数の構成要素や条件が含まれることがあります。特にクレームでは、どの語句がどの部分を修飾しているのかを正確に把握しなければなりません。

文章を単純に短く分割すると原文との関係が変化する可能性があるため、文法構造と技術内容の双方を確認しながら翻訳します。

4. 権利化に使用される文書が含まれる

特許翻訳には、単なる情報提供ではなく、実際の出願や審査に使用される文書があります。

そのため「おおよその意味が伝わればよい」という翻訳では不十分な場合があります。用途を翻訳会社へ伝え、必要な品質水準を共有しておくことが重要です。

特許明細書の翻訳で重要なポイント

特許明細書では、発明の内容や技術的な背景、実施形態などを一貫した表現で翻訳する必要があります。

発明の名称と専門用語を統一する

発明の名称や主要な構成要素については、明細書内で表記を統一します。社内ですでに英語名称や製品名称が決まっている場合は、事前に翻訳会社へ共有すると表記揺れを防ぎやすくなります。

図面と本文の対応を確認する

機械・電子・製造分野などの特許では、図面と本文を参照しながら内容を理解することがあります。

部品名や構成要素の名称が本文と図面で異ならないよう、図面番号や符号との対応も確認します。

過去の出願文書を参照する

同じ企業や同じ技術分野で過去に出願した特許がある場合、過去の翻訳文は重要な参考資料になります。

既存の用語や表現を踏襲することで、案件ごとの訳語のばらつきを抑えやすくなります。

特許請求の範囲(クレーム)の翻訳では何に注意するか

特許請求の範囲は一般に「クレーム」とも呼ばれ、特許として保護を求める内容を記載する重要な部分です。

クレームの翻訳では、次の点を特に確認します。

  • 構成要素を過不足なく翻訳しているか
  • 同じ構成要素に同じ訳語を使用しているか
  • 修飾関係や係り受けが原文と対応しているか
  • 単数・複数などに不整合がないか
  • 本文・図面と用語が統一されているか

翻訳者が独自の判断で内容を追加したり、読みやすさのために情報を省略したりすることは避ける必要があります。

一方、クレームの権利範囲をどのように設計するか、どの表現が法的に適切かといった判断は翻訳とは別の専門領域です。出願に使用する場合は、担当の弁理士・特許事務所と連携して最終確認を行うことが重要です。

PCT国際出願と特許翻訳の関係

PCT(Patent Cooperation Treaty:特許協力条約)は、一つの国際出願によって複数のPCT締約国で特許取得を目指すための制度です。

PCT国際出願を行っただけで世界共通の特許権が成立するわけではありません。最終的には特許を取得したい国・地域の国内段階へ移行し、各国・地域の制度に基づいて審査を受けます。

WIPO(世界知的所有権機関)は、国内段階へ移行する際、国際出願の言語が対象となる官庁で受け付けられない場合には、国際出願の翻訳が必要になると案内しています。

詳しくはWIPO「Enter the National Phase」をご確認ください。

必要な翻訳文、言語、提出期限、形式などは国・地域や出願内容によって異なります。実際に海外出願を行う場合は、WIPO、各国・地域の特許庁、担当する弁理士・特許事務所の最新情報を確認してください。

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AI・機械翻訳は特許翻訳に使えるのか

生成AIやニューラル機械翻訳の性能向上により、技術文書を短時間で翻訳できるようになっています。特許翻訳でも、参考訳の作成、用語確認、文書内容の概要把握などにAIを活用できる場面があります。

ただし、特許文書をAIへ入力してそのまま出願用翻訳として使用する場合には注意が必要です。

確認項目 AI翻訳で注意する点
専門用語 同じ用語に複数の訳語が生成される場合がある
長文構造 修飾関係や係り受けを誤って解釈する可能性がある
クレーム 文章の論理関係や構成要素の対応を人が確認する必要がある
表記統一 文書全体の用語・記号・単複などを別途確認する必要がある
機密情報 利用するAIサービスの入力データの保存・学習利用条件を確認する必要がある

AI翻訳を全面的に否定する必要はありません。重要なのは用途による使い分けです。

社内で海外特許の概要を把握する目的であればAI翻訳が有効なケースもあります。一方、特許出願・権利化に使用する文書では、対象技術と特許文書の性質を理解した翻訳者による確認を前提にしたほうが安全です。

特許翻訳の品質を高めるために準備したい資料

翻訳会社へ原稿だけを渡すより、関連資料もあわせて共有したほうが翻訳品質を高めやすくなります。

  • 翻訳対象となる明細書・クレーム・図面などの原稿
  • 社内用語集・対訳表
  • 過去に出願した関連特許
  • 過去の翻訳文
  • 製品カタログ・仕様書・設計資料
  • 対象となる国・地域
  • 指定されている英語表記や製品名称
  • 希望する納品形式
  • 希望納期

特に過去の翻訳文や用語集がある場合は、できるだけ事前に共有してください。同じ技術を継続して出願する企業では、案件ごとに訳語が変わることを防ぎやすくなります。

特許翻訳会社を選ぶ5つのポイント

1. 対象技術分野に対応できるか

「特許翻訳に対応」と記載されていても、翻訳会社によって得意分野は異なります。

機械、電気・電子、IT、AI、化学、医療、バイオなど、自社の発明に近い技術分野へ対応できるかを確認しましょう。

2. 用語管理とチェック体制を確認する

特許翻訳では、一文ごとの正確性だけでなく、文書全体での用語統一が重要です。

翻訳後に別担当者が確認するのか、用語集を利用できるのか、過去訳を引き継げるのかなどを確認するとよいでしょう。

3. 秘密保持への対応を確認する

出願前の特許文書には、まだ公開されていない発明内容が含まれます。

NDA(秘密保持契約)の締結可否、原稿データの取り扱い、翻訳者を含む関係者の機密保持体制などを、原稿送付前に確認することが重要です。

4. 対応言語を確認する

海外展開する国が増えると、英語だけでなく、中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語など複数言語の翻訳が必要になる場合があります。

複数国への展開を予定している場合は、必要な言語をまとめて相談できる翻訳会社を選ぶと発注管理を一本化しやすくなります。

5. 納品後の修正対応を確認する

特許文書では、翻訳後に社内の技術担当者や弁理士・特許事務所から用語の修正指示が入るケースがあります。

納品後の修正期間、無償修正の範囲、追加費用が発生する条件なども事前に確認しておきましょう。

特許翻訳の料金を確認するときのポイント

特許翻訳の料金は、言語、文字数・単語数、専門分野、原稿の難易度、品質管理の方法、納期などによって変わります。

単純に1文字・1単語あたりの単価だけで比較するのではなく、次の条件をそろえて確認することが重要です。

  • 翻訳対象となる範囲
  • 翻訳言語
  • 原稿の文字数・単語数
  • 技術分野
  • 翻訳後のチェック体制
  • 希望納期
  • Word・PDFなどの納品形式
  • 図面中の文字を翻訳するか

ファーストネット翻訳サービスでは、エコノミー8円〜、スタンダード10円〜、ハイクオリティ17円〜を基本としており、日本語原稿は1文字あたり・税別で算出します。言語や翻訳方向によって単価は異なり、料金表に単価を掲載しているのは主要16言語です。その他の言語は原稿内容を確認したうえで個別にご案内します。

特許文書のように専門性や正確性が重視される文書については、用途や原稿内容を伝えたうえで適切なプランをご相談ください。

【関連記事】
翻訳料金の相場|言語・分野別の費用目安を解説

ファーストネット翻訳サービスの特許翻訳

ファーストネット翻訳サービスでは、産業技術翻訳の対応分野として、機械・電気・電子・IT・AI・化学・医療などの技術文書とともに特許関連の翻訳にも対応しています。

技術分野を考慮して翻訳者を選定

特許文書では言語能力だけでなく、原稿に書かれている技術を理解することが重要です。原稿内容や専門分野を確認し、案件に適した翻訳者を選定します。

英語・中国語・韓国語をはじめ44言語・方言に対応

英語・中国語・韓国語をはじめ44言語・方言に対応しています。すべての言語で、その言語を母語とするネイティブ翻訳者が翻訳を担当します。

対応言語と料金の詳細は、以下をご確認ください。

対応言語と翻訳料金を見る

NDAの締結にも対応

未公開の技術情報や特許関連資料など、機密性の高い原稿については秘密保持に配慮して取り扱います。NDA(秘密保持契約)の締結にも対応していますので、必要な場合は原稿をご送付いただく前にご相談ください。

Word・PowerPoint・PDFなど幅広いデータに対応

Word、Excel、PowerPoint、PDFなどさまざまな原稿データに対応できます。図や画像中の文字を含む資料についても、原稿の状態を確認したうえで対応方法をご案内します。

納品後3か月間の無償修正

納品後に社内確認などで修正が必要になった場合、納品後3か月間は翻訳内容の修正に無償で対応しています。

特許明細書や技術文書の翻訳については、以下の産業技術翻訳サービスページからもご相談いただけます。

産業技術の翻訳サービスを見る

特許翻訳を発注する前のチェックリスト

特許翻訳をスムーズに進めるため、原稿を送付する前に次の項目を整理しておくことをおすすめします。

確認項目 確認内容
翻訳目的 海外出願、国内移行、社内調査、参考資料など
対象文書 明細書、クレーム、要約書、図面など
翻訳言語 日本語→英語、英語→日本語、中国語など
対象国・地域 翻訳文を使用する国・地域
参考資料 用語集、過去訳、関連特許、製品資料など
機密保持 NDA締結の必要性
納期 社内確認や専門家確認まで含めたスケジュール
納品形式 Word、Excel、PowerPoint、PDFなど

特に出願期限が決まっている案件では、「翻訳の納品日」ではなく、その後に行う社内レビューや弁理士・特許事務所による確認期間まで含めてスケジュールを設定すると安全です。

よくある質問

Q. 特許翻訳とは何ですか?

特許翻訳とは、特許明細書、特許請求の範囲(クレーム)、要約書、図面中の説明など、特許出願・権利化に関係する文書を別の言語へ翻訳する専門翻訳です。技術内容だけでなく、用語の一貫性や文書構造への理解が求められます。

Q. 特許明細書とクレームの翻訳で重視すべき点は?

発明の内容を正確に理解し、同じ技術用語を文書全体で一貫して使うことが重要です。特にクレームは権利範囲に関係するため、曖昧な意訳を避け、原文との対応関係を確認しながら翻訳する必要があります。出願上の法的判断は弁理士や特許事務所に確認してください。

Q. PCT国際出願では翻訳が必要ですか?

PCT国際出願では、国際出願時や各国・地域の国内段階へ移行する際に、受理官庁や指定官庁が受け付ける言語への翻訳が必要になる場合があります。必要言語や提出期限は国・地域によって異なるため、最新要件はWIPO、各国特許庁、担当の弁理士・特許事務所で確認してください。

Q. AI翻訳だけで特許文書を翻訳できますか?

AI翻訳は下訳や用語確認の補助として活用できますが、特許文書では技術用語の揺れ、係り受け、クレームの論理関係、機密情報の取り扱いに注意が必要です。出願や権利化に使用する重要文書は、専門知識を持つ翻訳者による確認を前提にするのが安全です。

Q. 発注前に準備すべき資料は?

翻訳対象の原稿に加え、用語集、過去の翻訳文、製品・技術資料、図面、対象国・地域、希望納期、納品形式などを共有すると精度と作業効率を高めやすくなります。社内で指定訳語がある場合は事前に伝えてください。

Q. 機密性の高い特許文書も相談できますか?

ファーストネット翻訳サービスでは秘密保持に配慮した運用を行い、NDAの締結にも対応しています。未公開の発明内容を含む場合は、原稿送付前に機密保持条件やデータの取り扱い方法を確認したうえでご相談ください。

まとめ

特許翻訳では、語学力だけでなく、対象となる技術分野の理解、専門用語の統一、原文との対応関係を正確に把握する力が求められます。特に特許明細書や特許請求の範囲(クレーム)を出願・権利化に使用する場合は、一般的な文書以上に慎重な品質管理が必要です。

AI翻訳を活用できる場面も増えていますが、特許出願に使用する重要文書では、技術内容と文書の目的を理解した翻訳者による確認が重要です。

ファーストネット翻訳サービスでは、英語・中国語・韓国語をはじめ44言語・方言に対応し、産業技術分野や特許関連文書についてもご相談いただけます。原稿の内容、対象言語、使用目的、希望納期を確認したうえで、案件に適した翻訳方法をご案内します。

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齊藤 真也

株式会社ファーストネットジャパン 代表取締役

1998年の創業以来、ホームページ制作・翻訳・アプリ開発・Webマーケティングなど幅広いIT/クリエイティブ領域で4,000件超のプロジェクトを統括。
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